オレオレ詐欺と対決する!


 

2005年2月26日

 

オレオレ詐欺と対決した人を

あなたは見たことがありますか?

 

私はあります。戦った人を知ってます。

 

まあそれは私なんですけど。

 

どうもこういう流行ものには、嫌でも巻き込まれる星の元に

生まれてしまったようで、戦うハメになりました。

私の生き様を見るがいい。

 

今月に入ってから、私の地元では

オレオレ詐欺の電話が大流行してました。

私の職場に来るお客さんは

平均年齢80歳と言えるほど年齢層が高く

発してる言葉が何なのか

わからないような

おじい、おばあばかり。

 

どうもここらへん一体の電話番号が流れたらしく

かかってきた人が、うちに来るお客さんだけで

実に5人を越える大繁盛っぷり。

 

しかし私の職場 兼 地元であるここは

金に汚い貧乏人の集まりであり

寝たきりでまったく動けず、トイレさえもいけない

じじい、ばばあであったとしても

貯金の利息がいくらついてるか

調べて来い!と、嫁に命令するような

金の亡者達の住むところ。

 

金の話になると

20代の脳みそが甦り

全員騙される事無く済んでました。

 

さすがだわ・・・と、手が震え、自分の名前も書けず

入れ歯が飛び出しそうなじじいの話を聞きながら

思っていたおとといの夜。

日記を書き終えて一服いれていた所に

突然、私の家の電話が鳴る。

 

私は現在一人暮らしであり、電話は100%携帯電話に

かかってくるんです。

家の電話が鳴るってことは、すなわちロクな電話では無い。

でもなんか妙に惹かれるものがあって

めずらしく家の電話を取ってみる・・・

 

私「はい、もしもし?」

 

相手「あ、わかる?オレだよ!オレ!」

 

私「はぁ?どちらさん?」

 

相手「おいおい、頼むよ。

息子の声を忘れたのかよ?」

 

 

私、現在24歳。

同じ年くらいの子供を

女に出産させた覚えなど無い。

 

ついにきやがったか!とは思いましたけどね。

こいつは頭がイカれてるのか?

と、思いましたよ。

だってね、私、24歳。見た目は老けてても

声だけは24歳。間違いなく若い声をしている。

誰が私の声を聞いても

「あ、24歳ですね?」って

わかってしまうほどの

24歳っぷりの声をしている。

 

そんな若者な声の持ち主の私相手に

「息子の声を忘れたのかよ?」と、きたもんだ。

思わず自分の下半身に

ぶら下がってるものから

電話が来たのかと思ったよ。

 

じゃなきゃ、ありえないじゃないですか?

相手の声は、たぶん20代前半くらいの声だ。

大きく離れていたとしても、4歳差くらいのものだ。

ってことは私は4歳にして

女を妊娠させたというのかね?

 

どんだけプレイボ~イやねん!って話しですよ。

まだ足し算も引き算もできへん。

あそこに毛も生えてへん。

自転車にも乗れへん。小学校にも行ってへん。

でもエッチはできる!って

どんな4歳ですか?

 

そんなことを若き日の私がしてたというのなら

間違いなく世界記録ですよ。

ギネスに載って伝説入りですよ。

 

小学校5年生くらいには息子から

「パパ」なんて呼ばれてるわけですよ。

あはははは。おもしろすぎる。

4歳にして性行為なんてな。

わしゃ犬かいな?

人間だと思ってたのに

犬だったんかいな?

 

しかしこんな経験滅多にできるもんじゃない。

よって、この生まれた時から鼻水垂らしてたような

このアホを存分に堪能してやろう!と。そう思ったわけです。

しかしいくらアホでもあまり声を出しすぎると

さすがにバレるかもしれない。

よってここから声をできるだけ小さくし

言葉も変えてしゃべることにしました。

職場では毎日のようにボケ老人を相手にし

印鑑と間違えて、消しゴムを

持ってくるような末期的じじいも

しょっちゅう見ている。

見て覚えてる以上、演じられる自信は多少はある!

さぁ、ご堪能ください。

 

私「あ・・・もしかして、ケンジか?」

 

相手「そうだよ!ケンジだよ!」

 

「あ、ケンジは親戚の子だったな・・

今、「ケンジだよ!」って

言わなかったか?

 

相手「・・・・いってないよ!おいおい、頼むよ。

耳まで遠くなったんじゃねえか?

息子の名前を間違えるなよ。」

 

私「そうか・・・いってないか・・・・

ところでケンジ。何の用だ?」

 

相手「・・・・・・ケンジは親戚の名前じゃないのか?」

 

「よく思い出したら

やっぱり息子の名前じゃった。」

 

相手「オヤジ・・・・・・ボケちゃってきたのか?」

 

私「ワシも、もう71だからな。モノ忘れもするわ。」

 

相手「それでな、オヤジ、久しぶりで悪いんだけど・・」

 

私「ちょっと待て!おかしいぞ!

ケンジはワシのことを「オヤジ」と呼ばんかったぞ!!」

 

相手「・・・・・・く・・・・・久しぶりだから

照れてるんだよ!昔の呼び方なんてしにくいじゃんかよ!」

 

「1週間前にお前は電話を

して来ただろう?」

 

相手「・・・・・・・・・・オヤジがボケてるんだよ!

かけてねえよ!」

 

私「いいや!間違いない!かけてきた!覚えておる!」

 

相手「・・・・・・・・そうだった・・かけたよな!

悪い!かけたかけた!悪かったよ!

今日の呼び方はオヤジでいいじゃねえか?な?」

 

「一体何の話をしてたんだっけ?

忘れてしまったんじゃが・・・」

 

相手「・・・・・・もういいよ!オヤジ!

とりあえず話を聞いてくれよ!」

 

私「ん?なんだ?」

 

相手「今、東京にいるんだけどな。

路上で変な奴に絡まれてな・・・

ついつい喧嘩しちまって

相手の腕の骨と足の骨を折っちゃったんだよ。

そしたらそいつ、実はヤクザで山のように仲間連れてきて

事務所に連れ込まれてな・・・・

300万払わないと、殺す!って言うんだよ・・・

頼むよ・・・オヤジ・・・なんとか300万助けてくれねえか?」

 

 

私「そうか・・・それは一大事だな・・・・

そのまま死んでこい。

わしゃ知らん。」

 

相手「・・・・オヤジ!かわいい息子が

ヤクザに殺されてもいいのかよ!なぁ?」

 

「息子より300万の方が

大事じゃ。金が息子じゃ。

ケンジのような、親不孝ばかりするゴク潰しなんぞ

ヤクザに撃たれて

死んだらいいんじゃ。

銃で撃たれて死んだら、きっとうちにも

テレビのマスコミが来るじゃろうな。

安心しろ。死んだ人間は「大変優秀でした」って

言われるようになってるんじゃから

安心して死んで来い。」

 

相手「そりゃあんまりだろ?オヤジ!

今までオレが悪かったよ・・・

これから改心して親孝行もするよ!

だから助けてくれよ!なぁ?オヤジ!」

 

 

 

う~ん、ここまで演じてきたが

ここまでバレないモノなのか?

どこの親が息子に向かって

「そのまま死んで来い。ワシャ知らん」なんて言うかな?

しかも「金が息子じゃ!」と

言ってる親が存在するか?

もちろんバカにする気で言ってますし

「気づくだろうな」って気持ちも持ってるんですが

幾分、相手は必死だ。

よくはわからないですけど、もしかしたら「ノルマ」がある

オレオレ詐欺の集団の一味なんでしょうか?

「これからは親孝行するから!」なんて言われてもなぁ~・・

作った覚えの無い息子の

見知らぬケンジ君に

親孝行されても

それはそれで困ってしまう。

 

しかし、おもしろいな・・ケンジ君は・・・

もうちょっと遊んでみるか?と、さらに会話を続ける・・・

 

 

私「わかった・・・ケンジ・・・親孝行するんじゃな?」

 

相手「ああ、するよ!絶対する!だから助けてくれよ!」

 

私「よし!よくわかった!

んじゃいっちょワシが

ヤクザ事務所に殴りこんで

皆殺しにしてやるから

案内せい!ケンジ!!」

 

相手「待て待て待て待て!無茶いうな!オヤジ!

相手はヤクザだぞ!殺されちまうよ!」

 

私「ケンジはワシのことを忘れたのか??

戦争経験者を舐めるで無い!

竹やりで鍛えたこの腕!

ヤクザ如き皆殺しじゃ!」

 

相手「無茶いうな!オヤジ!

竹やり一本でヤクザを

皆殺しにできるなら

オレでもやってるよ!」

 

私「う~む・・・さすがに竹やり一本ではきついか?」

 

相手「無理だよ!オヤジも殺されちまうよ!」

 

「じゃあクワも持っていけば

安心じゃな。二刀流を持ってすれば

ヤクザ如き、皆殺しじゃ!」

 

相手「そういう問題じゃねえんだよ!オヤジ!

頼むから冷静に考えてくれよ!

ヤクザの事務所だぞ!何十人もヤクザがいるんだぞ!

竹やりとクワで勝てるわけ

ねえじゃねえか!なぁ?」

 

私「やってみなければわからんじゃろうが!」

 

相手「やる前から結果が見えてるよ!

無茶言うなよ!たかが300万で命を捨てるのか?

 

「だって300万は息子じゃからな。

命をかけて守ってやらなくて

どうするというんじゃ?」

 

相手「300万が息子でも、死んだらそれは使えないんだぞ!」

 

「300万を守れるなら

死んでも悔いは無いわ!

いいから案内せい!ケンジ!

出撃じゃ!大和魂じゃ!」

 

相手「落ち着けって!なぁ?オヤジ!落ち着いてくれ!」

 

 

うん、さすがに相手さん。

マジで止めに入ってる。

もちろんケンジ君はヤクザになんて襲われてないし

案内できないし、目的は300万だから絶対止めるでしょうけど

なんていうのかな?相手の対応というか雰囲気がね。

竹やりで戦いに行こうとしてる

私に心底脅えてるように見える。

 

う~む?ちょっとまずいかな?

このままだと「このキチガイじゃダメだ!」と

切られてしまう可能性も出てきた。

っていうか私が仮にオレオレ詐欺を仕掛けて

私演じるジジイが相手だったら

秒殺で諦めてると思う。

 

私「すまん・・・・ケンジよ。取り乱したな。」

 

相手「いいから、落ち着いたか?

まずヤクザをオヤジ一人で皆殺しにするのは無理だから。」

 

「じゃあ近所のゲンさんを誘って・・」

 

相手「老人が何人集まっても無理だよ!殺されるよ!」

 

私「そうか?そうでもないと思うぞ?

なんせゲンさんは子供の時はやんちゃ坊主で

鬼のゲンさん。略して鬼ゲンと

呼ばれていたくらい・・」

 

相手「だから無理だって!鬼ゲンだろうとなんだろうと

老人二人でヤクザ何十人も相手にできるかよ!」

 

私「う~む・・・じゃあどうすればいいんじゃ?」

 

相手「だ~か~ら~!300万振り込んでくれって!」

 

「しかしそれでは

300万の息子たちを殺すことに・・」

 

相手「あ~もう!わかったよ!

この事件が終わったら改心して働いて

オヤジに500万にして返してやるよ!これでいいだろ?」

 

「早く口座番号と口座名義の

名前を教えろ!すぐ振り込んでやる!」

 

相手「・・・・・・・まったく・・・・

ん~とな、口座番号が・・・・・・・・・・・・・・」

 

私「わかった!すぐに振り込んでやるからな。

待っておれよ。そしてちゃんと500万にして返せよ!」

 

相手「わかったよ!じゃあ頼んだぞ。切るぞ?」

 

私「待て!ケンジ!!」

 

相手「なんだよ?まだ何かあんのか?」

 

 

 

 

 

「オヤジ、愛してる♪って言え。」

 

相手「はぁ?やだよ!ふざけんなよ!言えねえよ!」

 

私「いいから早く言うんじゃ!

昔から何かお前の願い事を叶えてやる時は

毎回言っていたじゃろうが!」

 

相手「やだよ!男同士で気持ち悪い!」

 

私「じゃあ金は入れてやらん。

そのままヤクザに殺されてこい。」

 

相手「・・・・・あ~~!もうわかったよ!」

 

私「ほら!早く言え!」

 

相手「あ・・・・うん・・・・あああ!・・・・

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

オヤジ、愛してるよ・・・」

 

私「ワシもお前を愛しとる♪」

 

相手「あ~!気持ち悪い!じゃあ振り込んでおいてくれよ!

じゃあな!ガチャン!!」

 

 

ちょっと最後の「愛してるって言え!」って言ったときは

自分で笑いそうになって

もうちょっとでボロを出す所だった。

ありえないじゃないですか?

男同士で。しかも親子という設定なのに

「愛してるよ」「ワシも愛してる」だなんて会話。

そんな発想がパッと出た自分も

ちょっと怖くなりますがね。

 

しかしオレオレ詐欺も、ある意味大変ですね。

男同士で愛のささやきまでして

金を手に入れなきゃ

いけないんですからハンパじゃない。

 

ここまでしてくれてね。ケンジ君も必死なんでしょう。

だから昨日ね。ちゃんと振り込んであげておきましたよ。

 

2円振り込んであげました。

 

感謝して欲しいですよ。まったく。

わざわざ会社の昼休みに抜け出して

振込み金額が「2円」なんて書いた紙を

窓口に出してな。

受付の姉ちゃんは

伝票を見て「え?」とか言いながら

二度見してたからな。

 

しかも振込には振り込み人の名前を相手の通帳に

記載できるんですけどその名前が

「お前を愛してる」ですからね。

 

受付の姉ちゃん。

なんか警察に通報しそうな

勢いで私を見てたからな。

 

しかもたった2円振り込むだけなのに

手数料を600円近く取りやがって

明らかに損してるじゃねえか!と。

ホントこの義理には感謝して欲しいね。ケンジ君には。

 

振り込まれた金額を見て

ケンジ君がどんなリアクションを

するのか物凄く見たいなぁ~。

 

もし、怒り心頭でまたケンジ君から電話がきたら

また日記に書こうと思います。

まあ二度とかかってこないとは

私も思いますがね。


 

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